*勉強時間とは家庭学習時間のこと。学校や予備校での講義の時間は全く含んでいません。読む際に学校や塾の講義の時間を入れてしまえば余裕だと勘違いしないてくださいね。
①4~6月編 平日は3~5時間、休日は5~10時間
正直なところ、平日は3時間くらいで、休日は10時間できる日は少なかったです。休日なのに5時間程度の日もよくありました。この頃、「勉強しよう」と心で決めてもその日からいきなりは「10時間は勉強できない!」ということを悟ることになるのです。気持ちは十分10時間やるつもりだし、俄然やる気は充分。なのに、しばらくは5時間程度となってしまう。なぜなのでしょうか。
おそらく、マラソンのようなもので、30分くらいの軽いジョギングを繰り返してそのうちにハーフマラソン、それからフルマラソンが走れるようになるのと同様、身体は都合良くも突然10時間勉強できるようにはならないということを学んだのです。心身を慣らさないと無理ということですね。勉強には体力はもちろんのこと、頭の疲労ももちろんある訳で、いずれにしろ耐久力が要求されるのです。この頃の、10時間こなせない理由は集中できない、飽きてしまう、疲れてしまう、寝てしまう等でした。しばらくかかってから勉強時間を少しずつ増やして身体を慣らし、次第に10時間~12時間できるようになりました。結局、その期間1カ月はかかったのではないでしょうか。
私はとにかくよく寝る自堕落な人間で、高校生の頃は特に異様に眠かった記憶があって、休日は昼寝で1日過ごしてしまい、起きたら夜だったみたいなことも多く、勉強時間が少ない日も多くありました。最近の研究でもご存知かとは思いますが、寝ている間に記憶は整理されるため良いことかもしれませんが、合計の勉強時間が少ないのは偏差値50の私には致命的なことでした。偏差値を20上げなくてはならない私にとってはあまりにもったいない時間です。
そこで、打開策はないかと考え、寝る環境でないところで勉強すれば良いと気付きました。私は「家では勉強ができない人間なのだ」ということを身にしみて理解できたので、近くの図書館もしくは地元の公民館のようなところや予備校の学習塾に通うことにしました。しかし、そこにもポイントがあります。「友達に会わない場所」に行くということです。友達と会いそうな場所はとにかく避けました。何時間も平気で話してしまうからです。これは自分なりに効を奏しました。
その後、図書館に通うようになってから、学習習慣が次第に身につくようになりました。そのため当塾の合言葉を「結局、学習時間!」ではなく、「結局、学習習慣!」にしました。時間は習慣から作られるからです。習慣が時間を導いてくれます。私たちを後押ししてくれます。その習慣を身に着けることこそが勉強の第一関門なのです。
こうして、勉強時間も増えてきた私はすぐに成績が上がるものだと思っていました。しかし、この時期には成績はほとんど上がりませんでした。当然です。始めたばかりですから上がるはずもないのです。そんなに簡単だったら全員が難関大学に入れることになるのです。この上がらない自分をどう励ますかがこの時期の壁だと思います。
「頑張れば成績って上がるのかな?」弱い心がよぎります。
「こんなに頑張っても成績が上がらなかったら?」結果が欲しい分、不安が襲ってきます。
しかし、成績が上がるかどうか信じられなくても信じるしかないんです。むしろ、信じなくても勉強をするしかないんです。
これは、教員としてもいろいろな生徒と対面し、成績はやっぱり勉強するか、しないかに限るということを後に痛感することになりました。学習時間が増えると自ずと成績は上がるということはほとんどの生徒にあてはまるからです。もちろん、そのスピードや程度に差こそあれですが、学習時間に尽きると思うのです。無論、天才は一部ですから、秀才と言われる多くの人が努力で補っていることは言うまでもありません。受験勉強も同様です。
そして、不安に襲う自分を労わるのは意外と自分に酔ってて気持ちのよいことかもしれませんが、あまりに思い悩んでも実際に勉強が手につかないのでは勉強をしていないことと全く同じです。悩むかどうかなんて成績に全く関係ないことを知って欲しいですね。
「信じる→悩まない→勉強できる→成績が上がる」というこの式が一番良いですが、人間ですからそう一筋縄ではいかない日もあります。
信じられない→不安・恐怖が募る→勉強しない=空回りしてるだけ
信じる→不安・恐怖が解消される→勉強する=勉強時間が増える
受験勉強に全く必要がないのは「不安」「恐怖」であることを学びました。そんなことで勉強ができないのは全く無意味で、もし「不安」や「恐怖」を感じていても、勉強時間を増やすことが一番大事だということに途中から気付きました。精神安定上、自分を信じてあげてください。私はヨガインストラクターの資格を持っているのですが、ヨガ哲学においても、不安・恐怖といった感情は無意味な感情、無駄な感情だそうです。不安に関したほとんどのことは現実には起こらないことが多く、取り越し苦労のことも多いからです。
そうは言っても、世の中には強者がたくさんいます。私みたいに漠然と悩むなんて弱者です(笑)超難関大学に合格できる生徒はやはりどこか違うと思います。信じるとか信じない以前に、強者は「淡泊」です。「冷静沈着」です。粛々と勉強を続けるのです。ある種自分の中に一本の筋の通った何かが見えているかのような、いやおそらく彼らは大学進学の目的も明確で、進む道も鮮やかに脳裏に浮かんでいることでしょう。違いは歴然です。
教員生活で強者もたくさん見てきましたが、彼らが悩むのは凡人がかかえる「漠然とした不安」ではなく、「この問題集は有効かどうか」「今の教科の時間のかけ方で合理的なのか」「この問題はどう解くのか」「教科バランスをどう保つか」などのあくまで実践的な悩みでした。彼らの悩みは先生からのアドバイスや自分で考えて分かればすぐに終了する傾向があります。こうして、強者はさらに短時間で問題解決をし、学習時間に弱者との差を拡大していくのです。従って、我々の敵は「なんとなく手につかない」「成績は伸びるのか」などの漠然と不安に苛まれる状態なのです。
では、精神論はこの辺にして、いざ受験のキーはやはり夏休み!夏休みをどう過ごすべきなのでしょうか。
第1回
②7・8月夏休みの過ごし方
③9~11月 秋の過ごし方
④12~1月 いざセンター試験へ
第2回
センタ―試験対策とは何か、何をどうすべきか?
第3回
「結局、学習習慣」の根拠とは?
第4回
成績を上げるためのテクニック
第5回
教員生活で見えてきた勉強できない子の特徴
第6回
全教科、使用した問題集リスト一覧!
このようにエッセイは続く予定です。ワークショップ講座でも「早稲田に受かった理由」の開催を予定しています。